
「夢」について書いた短編集
安部公房『笑う月』を読みました。これは夢に関する短編集です。
「笑う月」というのは表題で、以下の17ある収録作品の1つです。個人的には「空飛ぶ男」が好き。
- 睡眠誘導術
- 笑う月
- たとえば、タブの研究
- 発想の種子
- 藤野君のこと
- 蓄音機
- ワラゲン考
- アリスのカメラ
- シャボン玉の皮
- ある芸術家の肖像
- 阿波環状線の夢
- 案内人
- 自己犠牲
- 空飛ぶ男
- 鞄
- 公然の秘密
- 密会
直径1.5メートルの笑う月に追いかけられる
夢というものは論理的に語ることができません。本書の「笑う月」に登場する直径1.5メートルの笑う月に追いかけられるのは何故、怖いのか?特定の危害を恐れるのではない、論理が通じない、非論理的な恐怖と不気味さがそこにはあるのだと思う。
「空飛ぶ男」 の主人公を叫ばせたのは何か?
「空飛ぶ男」は夢特有の非論理的な恐怖を現実に持ってきた話だと思います。
夢だから許されることが現実の自分の身体に起こるという非論理的な恐怖が主人公を叫ばせたのだと私は解釈しています。