映画レビュー

ソーシャル・ネットワーク

創業期の Facebook について「事実に基づいて」つくられた話

凄い映画を見ました。デヴィット・フィンチャー監督『ソーシャル・ネットワーク』です。
Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグをモデルにし「事実に基づいて」つくられた話です。この映画で私は二人の天才を知ることになりました。主人公として描かれているマーク・ザッカーバーグと、それを描いた監督のデヴィット・フィンチャーです。

ザッカーバーグが「天才」であることについては、作中の様々なシーンで、彼が普通の人とは異なる発想や能力を示す描写があります。ザッカーバーグが話す言葉のスピードが速いことも、常人を超えた頭の回転の速さを示しているとも取れます。

できれば、Facebook の経緯を知っていて、 映画の真偽を深く分析できたほうが、本作から受け取れる衝撃も大きいです。事前に『フェイスブック 若き天才の野望』という本を読むのはオススメです。2020年現在、中古ならAmazonで1円(送料別)で買えます。
現実のザッカーバーグもこの映画には「2種類の反応」があると語っています。映画になったこと自体に驚き感心する人たちと、映画の真偽を深く分析できる人たちです。

深読みPoint! デヴィット・フィンチャー監督の 「事実の取捨選択」が絶妙すぎる

この映画のストーリーは事実を巧妙に誇張・変曲させて、恐ろしいほどの人間ドラマをつくりあげています。(この映画のタイトルが「Facebook」ではないのも人間関係を中心に据えたからだと思います)そして、ここに我々はデヴィット・フィンチャーという天才を見ることになります。

事実の取捨選択が絶妙なんです。ザッカーバーグが一途な恋をしているなどの設定を追加したことがストーリーの大枠を決めていますが、これは脚色です。 Facebookの企業としての成功とは対比的に 彼の「本当に望むもの」が手に入らない…という悲惨なラストも作り話というわけです。ただ、ウィンクルボス兄弟やサベリンとの裁判は事実です。しかし、映画の中では 「成功の裏で現実の"友達"は離れていく」という描かれ方をしています。この描かれ方については脚色です。ちなみに、女子学生の容姿を格付けするサービス「Facemash.com」は事実でした。

深読みPoint! 天才はお前だけじゃないんだぜ

これは「誤読」かもしれませんが、この映画はデヴィット・フィンチャーが現実のザッカーバーグに対して「天才はお前だけじゃないんだぜ、坊や。」という挑発的なメッセージでもあったのではないかと想像しています。なぜならこの映画は順当に「天才であるが故の孤独」を描いたというよりは、ザッカーバーグの歪さが目立つように編集されたプロパガンダ的な内容と捉えることができるからです。

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