本・漫画レビュー

月と六ペンス

モーム『月と六ペンス』(光文社古典新訳文庫)を読みました。

ゴーギャンをモデルにして書かれた小説

本書は絵を描くために金も、仕事も、生活も、家族さも捨て、死後に名声を得た画家、ストリックランドの生涯を主人公の視点で書いた小説です。そして、画家ストリックランドは、ゴーギャンをモデルにして書かれています。

モームの毒舌で機知に富んだ文体が、はじめから日本語で書かれたかのように自然に訳されている

単純におもしろい小説なので夢中で読んでしまいました。おそらく、翻訳が巧いことも、おもしろさの一役を担っているかと思います。土屋正雄の翻訳によって、モームの毒舌で機知に富んだ文体が、はじめから日本語で書かれたかのように自然に訳されています。

人にオススメしやすい外国人作家の小説

外国人作家の小説で人に薦める本を選ぶとしたら、僕はこの本を挙げます。『罪と罰』だったら重すぎるし、『飛ぶ教室』は軽すぎる、『ライ麦畑…』は定番すぎる、『ウェルテル』もいいけど、少し恥ずかしい。『月と六ペンス』はその点でちょうどいい。文章は巧みで、かつ読みやすく、話の長さも短すぎることはない、それほど高尚な文学というわけでもない。

さらに、巻末にある作品解説が凄くおもしろかった、こんなにおもしろい解説文は初めてだったというくらい。
ただ解説者の名前は覚えていない。(あんなにおもしろかったのに名前を覚えてもらえないところが解説者の哀しい宿命ですね。)

一冊読んだだけで、モームも土屋正雄も、解説者も好きになってしまう本です。文句なしにおすすめです!

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