
村上春樹のエッセイ「村上ラヂオ」第3弾
『アンアン』で連載していた村上春樹のエッセイ「村上ラヂオ」第3弾。
他作家のエッセイは途中で必ず飽きるけど、村上春樹のエッセイは最後まで興味を持って読み通せてしまう。
単に自分の性に合っているだけなのか、作家の力量なのか、、、
有名作家の着眼点や疑問点を体験する
村上春樹とか伊集院光とか(並べて話すのおかしい気がするけど)人に語ることを生業としている人は、着眼点や疑問点、想像力が違います。
基本的に本書は気軽なエッセイですが、自分とは違う価値観を知り、ハッとさせられることもあります。
例えば、本書の「椰子の木問題」で村上は、椰子の木が高く幹を伸ばして実をつけるのは何故か?…という疑問について話しています。これついて村上は、推測であるが妥当な回答を自分で見つけ出しています。私はこの話から「村上春樹のものの見方」について、以下の3点に驚かされました。
- そもそもこの疑問を抱くこと
- 答えを調べるのではなく、自分で推測をしていること
- 自分なりの結論を出した後も、それを確かめる行動をしていないこと
現代はネットで調べれば、すぐに「答え」が見つかる時代です。この世の中で重要になるのは、「どんな疑問を抱くか」と「疑問に対する考察」なのではないかと思います。上に挙げた3つは、村上春樹のように語る側の人間に必要な特徴のような気がします。
ネット上にあることは、誰かが考えたことです。情報を収集するばかりでなく、もっと自分の頭で考えて情報を生み出すように意識したいものですね。