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匂いで明確にひかれた一線 ―パラサイト 半地下の家族

ぶっ飛んだ映画だと思って、観てみたら、思ってたのと違う感じで ぶっ飛んでた

鑑賞前は、主人公となる父ギテク、母チュンスク、息子ギウ、娘ギジョンのキム家の4人の異常性が際立った映画なのだと想定していました。

しかし、物語の中盤に差し掛かると、映画はこの想定とは異なる様相を見せていきます。

深読みPoint! 「匂い」でハッキリと引かれる一線が印象的

物語は、富裕層(パク家)に寄生するように取り入って貧困層(キム家)が仕事を獲得していく工程がコミカルに描かれていきます。

観ていると「嘘で固められた計画がこんなにうまくいくはずがないだろう」と思えてきます。
ですので、当然の帰結として何らかの行動によって正体がバレてしまい、次の展開を見せていくのかと予想をしていました。

しかし、ボロが出始めるのは「行動」ではなく「匂い」でした。
半地下に住む者にある独特な「匂い」を富裕層のパク家は気付き、言及していきます。

多くの方が共感してくださると思いますが、自分のニオイが臭いと指摘されるのは結構ショックだと思います。
ましてや、上から見下されるように指摘されたら人間として否定された気持ちにもなるかもしれません。
(便宜的に「指摘」と書きましたが、パク家はニオイのことが伝わらないよう、多少の気を使ってます)

むしろ、言葉で言わずに「しぐさ」が目に入るほうが傷つくかもしれません。
「ニオイを指摘するというコミュニケーションすら拒絶された」と受け取ることもできてしまいます。

深読みPoint! 信頼できる映画監督 ポン・ジュノ

富裕層ー貧困層という階層を、地理的な上下で映像的に対比させるだけではなく、「匂い」で物語のなかで具象化させたところが非常にうまいです。

ポン・ジュノ監督の他作品でいうと『スノーピアサー』においても、富裕層と貧困層を列車の先頭車両と後方車両で分けて描いています。
富裕層ー貧困層という階層問題は、ポン・ジュノ監督のなかで重要なテーマになっていることがこうしたところからも判ります。

ポン・ジュノ監督は、『グエムル-漢江の怪物-』のころから日本でも注目を受け、『母なる証明』などの作品でその評価を強固なものにしてきました。
間違いなく手腕のある監督ですので、過去の作品や今後の作品も要チェックです!

深読みPoint! においに焦点を置いた秀逸な解説記事を紹介

パラサイトを観たとき「匂い」は重要なキーワードになっています。
これに焦点を当てた秀逸な解説記事がありましたので、ご紹介しておきます。

においの問題を考察する|パラサイト 半地下の家族【ネタバレ解説】

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