本・漫画レビュー

箱男

安部公房『箱男』を読みました。

この物語の主人公、箱男は腰の辺まで届く大きなダンボールをかぶっている

まず、発想が面白い。この物語の主人公、箱男は腰の辺まで届く大きなダンボールをかぶっている。
なぜダンボールをかぶるのか?― 覗き屋でいるため、見られずに見るため、彼はダンボールをかぶり、社会との関わりを絶ったのである。

見られることを拒否した人間は人間と言えるだろうか?

「人間」という言葉は「人」と「間」で成り立つ。箱男は人と人との間に当たり前のように成り立っていたものを絶ってしまう。そして、人間関係というものは相互の関係であり、話すことと聞くこと、見ることと見られることで成り立つ。では見られることを拒否した人間は人間と言えるだろうか?

偉そうに語ったが、この物語、わからないことが多い。妄想と現実が混乱し、主体と客体が混乱する。読んでいてドストエフスキーの『二重人格』を読んだとき以上の混乱を強いられた。そのため、悪く言えば、発想は面白かったが読みづらくて、尻すぼみな印象を受ける小説だ。

「実験的~」という言葉がぴったりの小説

背表紙の紹介文の「実験的~」という言葉がぴったりの小説だと思う。
一度読んでも理解できた気がしないので、もう一回読みたい気もする。けっこう読むの疲れるので気が引けるけど。

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