映画レビュー

はじまりへの旅 (原題: キャプテン ファンタスティック)

[あらすじ]
資本主義とアメリカ人の生き方に幻滅したベンとその妻のレスリーは、 6人の子どもたちとワシントン州の森の奥深くに住んでいた。 社会から離れ、子どもたちを育てることに身を捧げて、サバイバルの技術と哲学等、あらゆる学問を教え込んで暮らしていた。 しかし、レスリーは双極性障害によって入院し、最終的には自らの命を絶ってしまう。レスリーの葬儀についての話し合いで、義父のジャックとベンは言い争いを始めてしまう。ジャックは仏教のレスリーをキリスト教的に土葬すると言うのだ。さらにジャックは 森の奥深くでの暮らし方を責め、ベンを葬儀に参加させないと言う。ベンは一度は諦めるが、妻の尊厳を守るべく、子どもたちと葬儀に参加するための旅に出る。子どもたちは初めて森の外の生活を体験することになった。

幸せな生活って何だろう?人生に必要な知識って?

映画の前半はベン一家が、いかに社会から離れて生活しているかが描かれます。サバイバル技術を教えて、子どもたちを育てる光景は明らかにやりすぎなのですが、私はその生活に魅力も感じてしまいました。

私の遺灰はトイレに流して

妻レスリーの遺言状に書かれた希望する葬儀が大変面白いです。

  • 火葬してほしい
  • 私の生涯を歌と踊りで送ってほしい
  • 遺灰はなるべく人の多い公共施設のトイレに流してほしい

…最後が衝撃的ですね。これは、宗教(特にキリスト教)を馬鹿らしく捉えていた妻レスリーのユーモアでもあり、哲学でもあるのだと思います。キリスト教をはじめとする宗教が行う厳かな葬儀というのは「この程度のもの」だと笑い飛ばす姿勢であると捉えました。
実際には登場していないレスリーから確かに 哲学 が感じられることが、この映画の魅力の根幹となっているのではないかと思いました。

価値観を揺さぶられる

ついつい私が考えてしまったのは、 長男のボウが ハーバード大学等の名門大学に行けばいいのになということです。しかし、人生の殆どを森の奥地でサバイバル的に生活していたボウにとっては、名門大学に行くことが幸福につながるわけではないと思いなおしました。

半ば思考停止気味に「名門大学に行くこと」と「幸福」をつなげて考えてしまっているのは、一つの価値観でしかないことに気付かされました。観賞後に「自分にとって何が大切なのか?」を今一度、考えてみると良いです。単純にエンターテインメントとしても楽しいだけではなく、自分の価値観を見つめなおす機会になる良い映画でした。

 

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