映画レビュー

映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(前編)/END OF THE WORLD(後編)」

「作品」として良いものを作ろうとしていたのか疑問に感じるほどの駄作

この映画は、本当に「作品」として良いものを作ろうとしていたのか疑問に感じるほどの駄作だと思います。
有名な原作であれば、映画化だけでも一定の興行収入は見込めます。本作は、まさに一定の興行収入を狙うために「作品」を本来そうするべき方向から捻じ曲げてしまっている印象がしました。

…というのも、この映画は、観客をバカだと思って作られている節があります。

 

ダサいところ。ソトノカベ、ナカノカベ、モンゼン…

原作でマリア、ローゼ、シーナと呼ばれる壁の名前が、映画だとソトノカベ、ナカノカベ、モンゼン…って、壁の名前がダサいです。
「壁の名前を原作通りにしたら、初見の人がウォールマリアがどの部分の壁なのか分からなくなっちゃう」と観客に対して勝手な親切をしている節があります。

原作通りにしないで分かりやすくしたかったにしても、外壁・内壁とかでも通じますし。
「ナカノカベ!!」とか真顔で言っちゃってるのは本当にダサい。見ていてツライです。

 

深読みPoint! なぜ駄作になってしまったのか?

ミカサをはじめとする、濃いキャラクター達を描くことを諦めてしまっている

この映画が、原作の『進撃の巨人』から抽出した要素をみると、観客を低くみているんだなと感じます。
製作者たちは、残酷な巨人、立体機動装置、巨人化する人間…みたいな要素が 原作漫画『進撃の巨人』のおもしろさだとでも思っているのでしょうか?

 

原作『進撃の巨人』の一番の魅力はキャラクター

断言しますが『進撃の巨人』の一番の魅力はキャラクターにあります。
特に原作の『進撃の巨人』のストーリー序盤に限って言えば、ミカサの性格の異常性が漫画をおもしろくしていると言っても過言ではないと思います。

原作のミカサは、他の漫画で似たような存在がいないほど 強いキャラクターです。
映画でミカサを表現することを諦めたのはハッキリと「逃げ」だと思いました。あるいは「類型的なキャラクターじゃないと観客に分かってもらえない」と観客をバカにした姿勢なのかなと思います。

「思い切って原作を改変したんです」というのであれば、「せめて、おもしろい改変をしてよ」と言いたいです。

 

映画の作り方が「逃げてる」という印象。そうでなければ本質を捉えるのに失敗している

巨人の怖ろしさを、ホラー描写として振り切って見せようとした試みは挑戦的だったという意味で、悪くなかったのかもしれない。(成功とは思えなかったが)

残念ながら 本作は、映画化するからには原作に恥じないように…とか、原作を超える映画を作りたい…というような気概が全く感じられませんでした。
全体的に、映画の作り方が「逃げてる」という印象でした。

もし「逃げ」ではなかったのだとしたら、原作の魅力の本質の部分を取り違えてしまっています。
原作がおもしろいのは巨人が恐ろしいからではなく、エレンやライナーやジャンを始めとする第104期訓練兵たちの人間ドラマが心を抉るような展開を見せるからです。

これを単なるホラーやアクションに収束させてしまう試みは、原作を単に利用しただけのまがい物に他ならないと思いました。

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